〔054〕白馬岳 (2,932m)

標高差:1,702m

2005年09月18日(当時56歳)


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長野県北安曇郡白馬村大字北城
猿倉荘原 林道終点 白馬尻 アイゼン装着 アイゼン外す 避難小屋 頂上宿舎 白馬山荘 白馬岳
5時15分 5時53分 6時11分 6時36分 7時20分 8時19分 8時56分 9時25分 9時32分
登り:4時間17分
下り:3時間30分
白馬岳 白馬山荘 頂上宿舎 避難小屋 アイゼン装着 アイゼン外す 白馬尻 林道 猿倉荘
9時45分 9時56分 ---- 10時58分 11時47分 12時10分 12時26分 12時43分 13時15分

前日の移動
  鹿島槍下山後は白馬駅前に戻り、温泉で汗を流し、食堂で学食かと思える程、てんこ盛りの
豚キムチ定食を食べて、猿倉の駐車場に入る。 駐車場は相当広いが既に満車状態、隙間を見付
けて車を停める。 停めてある車に人影は無い、みんな泊りで登ってしまっているのか。
コンビニで買ってきたビールを呑んで後は寝るだけ。 明日も天気になります様に!

  白馬には残雪のたっぷりある6月頃に登りたいと思い相棒を誘ったが変則勤務の相棒とは休みが合わず延び延びになっていた。 後立山の名を知ったのは今回が初めて、白馬大雪渓以外の山の知識、興味は全然無かったが、白馬の近くにあるのでついでに登ろうとの乗りで来てみた。 あくまでも目的は今日の白馬大雪渓であり、秋に入り雪渓が小さくなっていないか心配である。
白馬大雪渓
  日本三大雪渓のひとつとして知られる全長3.5kmの白馬大雪渓。
雪渓の入り口の白馬尻までは老巧者でも気軽にトレッキングが楽しめるハイキングコース。
上部は本格的な登山装備が必要。 猿倉荘からブチ・トチ・サワグルミの原生林を40分程で御殿場へ到着。 ヒスイ色の渓流を抜けると「白馬大雪渓」の白馬尻。 幅100m、標高差600m、真夏でも0℃で万年雪が延々と続きます。 大雪渓の先は、お花畑が広がり、100種以上の高山植物の花が咲き競います。

”猿倉荘”からの林道歩きの途中から見た白馬岳。
天気は良いが山頂はガスで覆われている。
林道歩きは約40分で登山口となる。

登山口からは河原の様な石がゴロゴロした歩き辛い道を登り詰めると
1時間弱で ”白馬尻”に着く。 ここからは大雪渓を見ることが出来る。

”猿倉荘”下の駐車場は車で一杯になっており、最盛期はこの下の
駐車場も一杯になり、道路に駐車がはみ出すらしい。
5時15分、駐車場を出発する。

7時過ぎ、8月に大崩落をし死傷者を出した、杓子岳横の ”天狗菱”が見えてきた。
どれくらいの崩落だったのか不謹慎ながら興味深々であった。

崩落下の雪渓は亀裂でズタズタになっており
崩落が無くても歩けない状態になっていた。

迂回路に入ると沢水が多く、顔を洗うと冷たく元気が湧いてくる。
この辺りも落石があるので立ち止らない様にの注意書きがあった。

3時間を要して小さな ”避難小屋”に着く。

高山植物、ライチョウに関しての注意が書いてあるだけ。
(標高2,553m地点)

3時間41分を要し、”頂上宿舎”に着く。
宿舎の向こう側からは立山連峰、剱岳が望める展望が開けていた。

トータル:8時間00分 (休息時間含む)

雑感
  白馬大雪渓以外、後立山の言葉さえ知らなかったので、当然、五竜岳、
鹿島槍ヶ岳のことは何も知らなかった。 高山帯の山はどこもすばらしいが今回
登った、後立山の三山ももう一度来て見たいと思うほど魅力溢れる山ばかりだった。 いつも思うのだが苦労して山に登るのであれば、樹林帯で終わる山より高山帯に
達する山に登りたい。
後立山3山の日帰り  
  3千m級の山に毎日、登山口まで戻るのには体力的に辛いものがあった。
”鹿島槍ヶ岳”から ”白馬岳”まで縦走してしまえば、累積標高差は半減すると
思われるが、2泊の小屋泊まりが必要となり、懐に辛くなし、お風呂に入れない
のも辛い。 日本百名山は出来るだけ日帰り登山をするとのポリシーの元、今回は
日帰りを目指すこととした。

今日の温泉
  猿倉からの帰り道にある ”おびたなの湯”に寄ってみたが、入浴料は400円と
満足価格であったが、出てきた人にインタビューしてみると、石鹸、シャンプーは
あるがシャワーが無いと言っていたので、昨日と同じ ”岳の湯”に入り、水風呂
で足を冷やすことにした。

小屋横の標識には山頂まで5時間10分と書か
れていた。ちょっと余裕を見過ぎではないのか。

”白馬尻”からは ”アザミ”が咲き誇る低潅木帯を掻き分け進む。

潅木帯を抜けてからはしばらくは雪渓沿いの道を歩く。

6時36分、1時間20分の地点でアイゼンを装着する。
もたもたとアイゼンを付けている連中を尻目に一番で雪渓に入る。

赤のコースマーカーを辿っていても雪渓に亀裂があり、
覗き込んで見ると相当深くまで切れ込んでいた。

雪渓のクレバスだけでは無く、
崖からの落石にも気を付ける必要があった。

登るに従い雪渓の亀裂も大きくなり近寄り難くなってくる。

7時30分、2時間15分の地点から見た崩落現場。
”天狗菱”の
北面が大きくえぐられており、その土砂が雪渓上に堆積していた。

3時間23分にて標高2,553mの標識がある地点から、”村営頂上宿舎”が見えてきた。
この一帯は ”お花畑”らしいが、お花の時期には遅過ぎた様で今は何も咲いていなかった。

迂回路に入って登って来た ”大雪渓”を振り返り見る。
雪渓を外れると冷気が無くなり、朝日が背中に当たり暑くなってくる。

”白馬山荘”への登り途中から振り帰り見た ”頂上宿舎”。
奥には白馬三山の ”鑓ヶ岳”(2,903m)が聳えていた。

  山頂で15分程展望を楽しんだ後は寒いので白馬山荘まで降りてからおにぎり2ヶを食べる。
山荘展望台は風が当らずポカポカと暖かい。 高山から来られたハイカーと迂回路から同じペースで登って、山頂まで一緒して、昼飯も一緒に食べる。 地の利の良い高山市在住なので北アルプスは裏庭の様なものらしく、毎月、どこかに登り、槍には毎年登っていらしい。 羨ましい限りだ。 槍を見るなら大天井岳からが一番と教えてくれた。 涸沢の紅葉はこれからが良いらしい。

下り3時間30分、トータル8時間丁度で白馬岳を終える。
”猿倉”からの ”白馬岳”は標高差1,700mと大きいが、登り一辺の為、下りに登り返しが無い。
登り返しが無く雪渓が歩き易いので下りの時間が大幅に短縮出来た。 ここは充分日帰り出来る山だ。 (個人の体力にもよりますが) 次回は5月頃に再度 ”大雪渓”を楽しみたい思いである。

”頂上宿舎小屋”から25分程の距離に ”白馬山荘”があった。
収容人数1500人を誇る大きな山小屋であるが、混雑時は1畳に4人が寝ることもあるらしい。
後に白馬岳の山頂が見えている。 もう少しだ。

9時20分、4時間05分にて ”白馬山荘”に着く。

深田久弥著の「日本百名山」から
  この立派な山に、以前は信州側にはこれという名が無く、単に西山と呼ばれていた。
それがいつ頃からか代馬岳と名づけられ、それが現在の白馬岳と変った。〔略〕それによって
ハクバという発音が生じ、今では大半の人がハクバ岳と誤って呼ぶようになっている。

白馬村観光局のHPから

大雪渓歩き
  アイゼンを持ってこなかった御夫婦が ”あんたが要らないと言ったから・・・”と大きな声で揉めていた。
雪渓は固く締まっておりアイゼンが無くても歩ける斜度であるが、やはり、アイゼンを付けてさくさくと
歩きたい。 レンタルの軽アイゼンを付けている人も多いが、10本爪以上のアイゼンの方が安心感がある。

ネットニュースより
  土砂崩落が起きた北アルプス白馬大雪渓で8月14日、発生から3日ぶりに入山禁止が解除された。 通行可能になった午前6時以降、猿倉登山口から約100人が入山。 崩落現場を間近に望む迂回(うかい)ルートを通って白馬連峰を目指した。
  関係者によると、例年ならお盆や最盛期の週末は500人ほどが入山するが、この日は大幅に落ち込んだ。 午前中は晴れで時折ガスが発生、午後から雨が降り始めた。 崩落が起きたのは、大雪渓上部の南側にある「天狗菱(てんぐびし)」と呼ばれる2つの頂の斜面。 土砂は大雪渓を横断して長さ約300mにわたり、天狗菱の岩肌には岩盤ごと崩落したとみられる跡が残っていた。
  現場を見上げていた佐賀市の岸川美波留さん(44)は「崩落が数日遅かったら自分たちが被害に遭ったかもしれない」と規模の大きさに驚いた様子。 多くの登山客が「自然は本当に怖い」と口をそろえた。 男性2人が死傷した現場ではこの日も、登山者が埋まったとの情報に基づき、大町署などが捜索したが、手掛かりはなかった。 白馬岳山頂方面へは、大雪渓の中間地点の通称「砂山」から北側斜面を通る既存の「秋道」に入り、途中から北ア北部遭対協が整備した迂回ルートを経由する。 遭対協は解除に合わせ、落石や崩落への注意を呼び掛けるため、大雪渓の入り口と崩落現場近くの登山道に監視員を配置し、ルートの場所について説明している。

乗りの良い若者
  喘ぎながら登っていると大学生風の若者4人が降りてきた。 すれ違いざま、”歩いて来たんですか?”と聞いてきたので ”バスもタクシーも無かったので歩いて来た。” と答えると大爆笑していた。
  その後、話してみると小屋に泊らずに下から歩いて来たのですか? と聞きたかったようである。
ここまで3時間30分は若者から見ても早いタイムらしい。 牛歩、休まずの勝利か。←どこが???

”白馬山荘”からは西面に ”旭岳”(2,867m)が聳えているのが
望めた。 旭岳の向こうには日本海までが見えていた。
日本海を見るのは ”鳥海山”以来だ。

白馬三山の左、杓子岳(2,912m)、右、鑓ヶ岳(2,903m)。
この縦走路を歩くハイカーは思っていたより多かった。
平日でこの天気なら縦走も有りかなと思ってしまう。

山頂への尾根道、風が冷たくやたらと寒くなって来た。

9時32分、4時間17分を要して ”白馬岳”(2,932m)に着く。
気温13℃、風があり寒い。 今日は立山方面はガスが多く
山頂部までは見えなかった。

”白馬岳”の山頂から 大雪渓(右側)を見る。
落ち込みの急な激しい岩壁であるが、
写真には高度感が出ていなかった。

下りのアイゼン装着場はタッチの差で団体さんが出発してしまったが、マーカーを外して
小走りでごぼう抜きしてしまう。 雪渓の下りは歩き易く風が冷たく最高の気分であった。

白馬岳の鳥瞰図、クリックで拡大します。
'05年度の後立山遠征
09/16 09/17 09/18
五竜岳 鹿島槍ヶ岳 白馬岳
日本百名山』 白馬大雪渓を歩きたくて。
しろうまだけ
Road Map :R148の白馬から県道322号線を終点まで走る。
Route Map:猿倉荘からの林道を歩き、白馬大雪渓を経由して山頂を往復する。
少し登った地点から振り返り ”白馬尻小屋”のテラスを見る。
もし、雪渓上に濃いガスが出て、コースを見失った場合、
危険個所に迷い込んでしまう可能性がありそうだ。
雪渓が終わってからはガラ場の急登が続く。
山頂まであと少し。 ここまで来ると元気が出て来る。
寒いので上着を着る。 ”旭岳”をバックに記念写真を撮って貰う。
”白馬岳”の山頂から北方向の ”小蓮華岳”までの尾根筋を見る。
山頂から大雪渓側を覗くと、一瞬ガスで覆われビビったが、
ガスは直ぐに消えてくれた。
2023年11月18日改定